師匠とマイタケ採りへ
9月も20日をすぎると、師匠から電話があります。
「おい、マイタケそろそろでないか。どうだ?」
(師匠について詳しくは過去のブログ聞き書き 「山菜にまつわる話(師匠)」)
師匠が車の運転をしなくなってからは、
なかま母やなかま娘が師匠を乗せて、
一緒にマイタケ採りに出かけています。
そして今年も、行ってまいりました♪
なかま母は残念ながら都合がつかず(まぁこちらも行先は山なんですけど笑)、
未熟者ながら、なかま娘が同行させてもらいました。
山を知り尽くしている師匠、
引退したからと言って、その感覚は衰えず。
地形や樹木の特徴を読みながら、目的地へ向かって真っすぐと
道なき道を進みます。たしか85歳のはずだけど、しっかりとした足さばき。
「あそこにもう1本あるだろ、あれも見てみるぞ」
ササ藪だろうが急斜面だろうが、ずんずんずん。
ミズナラの木を1本ずつ見ながら、色々教えてくれました。
「これは(樹齢)200年くらいだけどな、でもマイタケ出るには若いな」
「ここは何度も出たけどな、もう枯れちまったからだめだな」
「これはな、10年に一度くらい出るはずだぞ」
「お、こいつは100年経ったらいいかもわからんぞ」
「師匠、その頃は私も死んでるから無理だわ(笑)」
「ウハハ死んでるな!(笑笑)」
当然のことながら、かなり山奥まで入るので、ヒグマと遭遇する危険性は大。
クマの大好物のコクワもあちこちで甘い香りを漂わせていることだし、
終始、鈴を鳴らし笛を吹きながら歩きました。
(実際、師匠はこの付近でヒグマの気配を感じたことがあるそう)
そして、見つけましたー!
(↑携帯電話ガラケーを置いて撮影してみました。大きさわかるかな)
師匠が毎年通っているという木に、しっかり出てました。
「こんなもんでねぇぞ。一番すごい時はな、担ぎきれないくらい採れたんだから。
カゴに入れて背負って、手に持って、シャツにも入れて車まで戻ったぞ」
両手でもぎ取って、持ち帰ります。
(その後しばらく両手にマイタケの香りがついて幸せでした(♡。♡))
結局5株ほど採って帰り、師匠と山分けに。
帰り道、ご機嫌だった師匠は他のマイタケポイントも教えてくれました。
そこの道へは数年ぶりに訪れたはずなのに、
林道の形と周囲の植生だけで場所を明確に覚えてることにびっくり。
「マツはなかったはずだな、ここじゃないな、次のカーブだ。
そこだそこ、このカーブのとこだぞ。そこに停めれ」
「ここは昔道だったから地盤は大丈夫だ。いいからバックで突っ込め」と言われて
「え、まじ!? ササで見えないよ! 路肩に落ちるんじゃ!?」と思ったけど、
師匠を信じて、えいっ!と軽トラで突っ込んだり(笑)
・・・時にツールを使いこなすことも必要だけど、
師匠みたいに、研ぎ澄まされた感覚と豊富な経験で
山や天気や状況を「読める」のは、純粋に憧れます。
師匠の背中。小さくなったけど、やっぱ、でっかいや。