満を持して(?)、なかま父の登場です。
(○阪さん、お待たせしました!)
なかま父は宿業の傍ら、林業の仕事もしています。
春から秋にかけて山へ入り、
植え付けや下草刈り、枝払い、除伐、間伐などを行うのです。
まぁ要するに、山に木を植えて、手入れして、何十年もかけて育てる、という仕事です。
立派に育った木は、もちろん最後には伐採して材木になるわけですが、
なかま林業で請け負う仕事は、伐採以外の部分です。
(伐採には大型機械&人手が必要なので、超零細企業(?)であるなかま林業では請け負っていません)
それにしても。木を育てる。山を育てる。とは言うけれど、
実際には、いったい山に入って何をしているの??
私もよくわかっていなかったので、現場に連れて行ってもらいました!
農道を数百メートル走ったところが、現場の入口。
黄色い旗が「作業中です」の目印。ここから林道に入ります。
軽トラの四駆でやっとこさ上れるような急勾配の雪道を上りきったところ。
ここからはスノーシューを履いて歩きます。
作業現場までは歩いて20分くらい。
ここが現場です。
10年生のカラマツ林。
「えっ? どこ? どこが現場?」って聞いたら、
「とりあえず、見えるとこ全部だ」って…!?
うへー! 山3つくらい(4つ?いや、5つか?)をたった一人で作業してんの!? と驚愕。
写真に写ってるのは全体の半分くらいで、山は左右にもっと広がってました。
広さは、10町だそうです。
10町=約10ヘクタール=100メートル×100メートルが10個分。
その広さをたった1人で作業する父には頭が下がります、ほんと…
さて。秋から冬にかけて行われるのは、間伐の作業です。
樹種や地形など諸条件によって方法は様々あるそうですが、
この現場では「3残1伐(さんざんいちばつ)」と呼ばれる間伐方法でした。
文字通り、3列を残して1列をダーッと、伐っていきます。
ここは雪が降る前に作業を終えていたところ。
1列分、きれいに木がなくなっています。
こんな風になるわけです。遠目に見るとわかりやすい。
腰をかがめて、チェーンソーで1本1本、伐っていきます。
同時に、カラマツ以外の自然に生えた広葉樹も伐ります。
雪の中にチェーンソーの刃を入れて、できるだけ根本から倒します。
10年生のカラマツはこの程度の太さ。
木材として伐り出されるのは、早くて10年後からだそうです。
ところで、伐った木はどうするかと言うと、そのまま朽ちて土に戻るのを待つことに。
雪が解けたら早く土に返るように、地面との接地面を増やすため幹や枝をある程度伐ります。
これも、1本1本の作業。
なんで、一度植えたカラマツを、こんなにたくさん伐っちゃうのー? と思っちゃうけど、
木が健康に成長するために間伐は大事な工程なんですって。
木が混み合っていると、枝が重なり合ったり、根が十分に張れなくて栄養不足になってしまうそうです。
じゃあ、最初から植えなければいーんでないの? とも思ったけど、
それはそれでちゃんと理由があって、
幼木の時に密度が少ないと、寒さや風に負けてしまったり、
空いてるスペースに他の広葉樹が多く生えてしまったりして、
十分に成長できないことが多いのだそうです。
普段、車窓の風景として何気なく眺めていた植林地だけど、
何やらまだまだ奥が深そうです。
帰り道に見かけた、3残1伐で手入れされているカラマツ林。
今冬、なかま父が間伐した林も、数年後にはこのように。
最後に、おまけ写真。
父のオリジナル仕事道具。
「麦わらヘルメット」。通称、「麦ヘル」(笑)
樹上から落ちる雪が首や肩にかかるのを防ぐのに役立つんだそうです。
もちろん、手作り。ガムテープが何とも言えない(笑)